よくある目の病気
ものもらい
地方によっては「めばちこ」、「めばち」、「めいぼ」、「めぼ」など様々な呼び方をされているものもらい。正式には麦粒腫と言います。まぶたの表面についている細菌が分泌腺に入り感染して化膿したものですが、伝染することはありません。症状としては始めはかゆみがあり、徐々にまぶたが赤く腫れて痛むようになってきます。ほとんどの場合はまばたきをした時に異物感がある程度ですが、内側にできる内麦粒腫はかなり痛みがあります。
予防法
目の周りを清潔に保つことが重要です。アイラインやマスカラ、アイシャドウなど目の周りのお化粧はできるだけ薄めにして、帰宅後はしっかりとメイク落としと洗顔を行います。コンタクトレンズを装用されている方は着脱の前にしっかりと手洗いを行い、レンズ自体も清潔に保つことが大切です。
治療法
ほとんどの場合は目薬や眼軟膏で治療を行えば、およそ一週間程度で治癒します。治療期間中は患部に触れたり、コンタクトレンズの装用、アイメイクなどは控えてください。
膿が大量に溜まってしまったり、しこりが残ってしまっている場合は切開手術を行う必要があります。比較的簡単な手術ですので、大体30分程度で完了します。手術後まぶたに内出血の跡が残る場合もありますが、およそ一週間程度で治癒します。
糖尿病網膜症
目の奥(眼底)には網膜という神経の膜があり、細かい血管(毛細血管)が全体に張りめぐらされています。
糖尿病の患者さんの血液はドロドロで、血管が傷ついてしまい血液の流れが悪くなります。
このため網膜に酸素や栄養素が不足し、糖尿病網膜症が起こります。自覚症状はほとんどなく、病気がかなり進行してから気付くことも多いため、手遅れになって失明することがあります。
糖尿病網膜症は成人の失明原因の上位となっています。糖尿病と診断された方は、眼科専門医による定期的な検診を受けることが大切です。
糖尿病網膜症の眼底
網膜の状態等から、進行の段階が3つに分けられます。
糖尿病網膜症の治療法
治療の基本は血糖のコントロールです。眼科的にはレーザー光凝固や硝子体手術を行います。
加齢黄斑変性
カメラのフィルムにあたる網膜には、ものの形や大きさ、色などを識別する細胞が多く集まり、ものを見るために最も重要な「黄斑部」という部分があります。
加齢黄斑変性は、この黄斑部の機能が加齢などの原因によって障害される疾患です。視力が低下し、放置すると失明の危険性もあります。アメリカでは中途失明原因の第1位となっており、日本でも増加しています。
治療法
抗血管新生薬
現在主流の治療法で、抗血管新生薬を眼球内に注射するという方法があります。視力の維持や改善が期待され、治療成績も良いようです。
光線力学的療法(PDT)
光線力学的療法(PDT)は、光に反応する薬剤を体内に注射した後に、病変部に弱いレーザーを照射する治療法です。
アレルギー性結膜炎
花粉やほこりが原因となって起こる目のアレルギーのことをアレルギー性結膜炎といいます。 症状を引き起こす原因物質をアレルゲンと呼びますが、特に建物の中にあるほこりはハウスダストと呼ばれています。
近年、このハウスダストによるアレルギー患者が急増しています。花粉が原因の場合は春に起こりやすいなどの季節性がありますが、ハウスダストは年中あるためいつ発症してもおかしくありません。 このハウスダストを原因物質とするアレルギーを「通年性(つうねんせい)アレルギー」と呼び、花粉症とは区別されています。
結膜は外からの刺激や異物にさらされやすい組織で、涙などでいつもぬれていますので、ハウスダストや花粉が付着しやすく、アレルギーが起こりやすくなります。
予防法
花粉が原因の場合はゴーグル型の眼鏡や花粉防止用のマスクの着用が最も効果的と言われています。洗濯物を取り込む際にはしっかりと花粉を払ってから取り込むことで室内に入る花粉を減らすことも大切です。
ハウスダストが原因の場合はまめに掃除を行い、ハウスダストを減らすことが大切になります。床はしっかりと掃除機をかける、家具などはぬれた雑巾で拭く、エアコンのフィルターを水洗いするなどお部屋をキレイに保つことで予防することができます。また、換気をしっかりと行ってダニ・カビを増やさないようにすることも大切です。
治療法
ギー薬という目薬の点眼で治療を行います。これはかゆみやくしゃみなどを引き起こす指令を伝える物質が細胞から血液に出てこないように抑える薬です。症状が強い場合は、副腎皮質ステロイド薬も使用することがありますが、緑内障などの副作用が現れることがあるので使用には注意が必要となります。